Luxy代表の佐藤です。
社会人になってすぐの頃、尊敬する経営者の方から聞いた話がずっと今でも心に残っている。
何か迷った時はいつも思い出す話。そして僕の人生を変えた話。
今回はそんな話をみなさんに共有したいと思う。
閻魔大王のDVDの話
「今を本気で生きているか?」
一緒にお茶をしていた時、その人は言った。
当時、社会人になりたての僕が出会った中で最も尊敬していた経営者の方だ。
2歳しか離れていないので時間もお金も夢も仲間も全て持っていて、僕には眩しすぎる存在。
その人が言った言葉に、僕は自身を持って「はい」と言えなかった。
当時からエンジニアをしていたが、「エンジニアってどんな仕事?」と聞かれて「机の前に座っているだけの仕事だよ」と答えていたくらい意識低い系のエンジニアだった。
仕事は最小限のことしかしない。「自分の時間が大事だから」と言って定時ダッシュをするが、自分の時間の過ごし方はゲームをしたりネットで動画を見るだけで何も残らない。
平日は土日を楽しみに耐える。でも土日も特に何をするでもなく、日曜が終わる頃には憂鬱な気分になり、月曜には目覚めたくない世界で目を覚まし満員電車に揺られ、また意識低く仕事をする毎日。
「目をつぶって。そして想像しながら話を聞いてくれ」
自信なさげな僕を見て察したのか、その尊敬すべき人が話を続けた。
君は歳を取り、人生をまっとうし、もうすぐ寿命が来るとしよう。
そうだな…場所はベッドの上だ。周りには君の大好きな奥さんや子供も見守ってくれているだろう。
君は最期の言葉を残し、周りの愛すべき人は涙している。
そして君はベッドの上で目を閉じ、生命活動を終える時が来た。
気づくと君は雲の上。そして目の前には大きな人。
僕「あなたは誰ですか?」
大きな人「私は閻魔大王である。君を天国と地獄、どちらに行くか審判しよう」
そこは天国と地獄の間だ。寿命を終え、自分は亡くなったということに気づく。
閻魔大王「閻魔帳には君の人生が刻まれている。君としてはこの人生どうだった?」
僕「んー不自由なく幸せに人生を送ってこれたかなと思っています。」
閻魔大王「でも、もっと頑張れたかなと思うでしょ?」
僕「それは…そうですね。。」
閻魔大王「やっぱりね。君がやってきたこと全て閻魔帳に書いてある。これを見る限り本気じゃなかったね」
僕は本当かどうかわからない話を聞きながら、今まで生きてきた中で無難なことしかしてこなかったなと思い返していた。
進学の進路も学校の先生が決めてくれた。
親の期待に応えるために大学も行き、会社にも就職した。
人の目を気にして挑戦しないこともあった。
今までの無難な選択が積もって、刺激も変化も無い生活を送ってきてしまっていたんだなと思った。
閻魔大王「ここにね、DVDがある。これは今まで君に与えられた選択肢に対し、本気で挑戦した選択をしてきたらどうなっていたかが記されているDVDだ。見たいか?」
僕「迷うけど…見たいです」
閻魔大王はそのDVDを再生した。
そのDVDを映し出した画面には、やりたいことをやり、行きたいところに行き、多くの人が集まっている自分の姿。
そして愛する奥さんや子供、友人たちが大切にしていることを本気で大切にし、みんなに貢献できている素晴らしい人生が映し出されていた。
それは今までの自分の人生とは180度違うものだった。
僕は話を聞きながら胸が痛くなった。つぶっている目からは涙が出てきた。
今まで自分でちゃんと考えて挑戦して決断してこなかったんだってことに気づかされたのだ。自分の決断だと思っていても、いつも誰かのレールの上にいた。
そして大事な人に何かしてあげたいと思っていても、
「また今度…」
と言いながら結局何もできていない自分がいた。そのまま死んでいくなんて嫌だ。
閻魔大王「DVD、どうだった?」
僕「人間に戻りたいです…」
閻魔大王「後悔しているんだね?」
僕「後悔しています」
閻魔大王「そしたら1回だけ、大きな選択肢に直面した場面に戻してやろうか?」
僕「ぜひお願いします…!」
閻魔大王「わかった。だが1つ条件がある。人間界に戻ったら私と会ったこともDVDを見たことも全て記憶がなくなる。いいかい?」
僕「もちろんです!DVDの中の自分になれるよう本気で頑張ります!」
閻魔大王「そしたら目をつぶって。そして私が3つ数えたら人間界に戻っているだろう」
目をつぶる。
閻魔大王「イチ、ニ、サン」
僕は現実世界で、目を開けた。
そして尊敬する人が言った。
「今この瞬間、君は天国と地獄の間から戻ってきたんだよ。」
僕は震えた。
「次に閻魔大王と会った時に心から最高の人生でした!と言えるように、これから挑戦し続け本気で生きていこう」
その人は笑顔で言った。
閻魔大王にDVDを見せてもらった話はもちろんフィクションだろう。
だけど本当のことだと思って生きるのとそうでないのとは、これからの人生が大きく違うものになると僕は本気で思った。
今でも何かに迷った時に、この話を思い出す。
書き方もつたなく伝わったか不安だが、この話を多くの人に届けたいと思ったので書かせてもらった。
もし何かを感じた方は迷った時、この話を思い出してほしい。最期の瞬間、閻魔大王に「最高の人生だったよ」と共に報告しよう。